2013.12.17

成形工場の「豊かさ2倍、消費資源半分」にむけて (3)--- グリーン・モールディング・ソリューション協会とは?

成形工場の「豊かさ2倍、消費資源半分」にむけて (3)--- グリーン・モールディング・ソリューション協会とは?

3.グリーン・モールディング・ソリューション協会の設立背景と活動概要

前回の記事で書いたように、成形工場での資源のムダは思っている以上に膨大にあります。ですから、我々は、factor4という4倍の資源生産性の実現も可能なことであると確信しています。

しかし、4倍もの資源効率化というのは、松井製作所だけでもできませんし、世界のどの企業であっても1社では実現できません。そこで、我々は、グリーン・モールディングそしてfactor4を実現するために、世界の中で最も重要な素晴らしいソリューションを持った複数の企業と連携していくことを決めました。

そして、2011年12月にそれらの企業とひとつのグループを結成し、それをグリーン・モールディング・ソリューション協会と名づけました。この協会は、ヨーロッパの企業2社、アメリカの企業1社、台湾の企業2社や大学が1校、香港の企業1社、日本の企業6社で構成されています。また分野としては、先端的な金型製作の会社から、先端的な成形技術を持っている会社、装置メーカー、シミュレーションソフトを作っている会社、大学の研究室など大変幅広い分野の企業や組織で構成されています。

そして、これらの企業や組織の技術やソリューションを組み合わせて、factor4を実現するための10の道筋と具体的な50以上のソリューションを準備しました。factor4を実現するための10の道筋というのは、エネルギーや樹脂のムダをなくして「資源消費を減らし」、サイクルタイム・段取り時間の短縮やガス・コンタミ・水質などによるトラブルをなくして「時間当たりの生産量をアップ」させ、表面品質・寸法精度の向上および軽量化などを通して「成形品の付加価値を上げる」ということです。

グリーン・モールディング・ソリューション協会では、各社が連携して、これらのソリューションによって、お客様の成形工場の資源生産性を飛躍的に上げていくことを目指しています。そのために、主に次のような4つの活動を行っています。

1)Green Moldingマガジンの発行
毎月1回の日・英・中の3ヶ国語でのメールマガジンにて、いろいろなソリューションをご紹介しています。

2)Green Moldingカンファレンスの開催
年に数回、世界各地でカンファレンスを開催しています。ソリューションのプレゼンテーションや質疑応答を通して、ソリューションの理解を深めてもらうことを目指しています。
もっとも最近のカンファレンスについては、こちらをご参照ください。
http://www.caemolding.org/newsevents/news/gmc2013/news-dg.html#a001

3)共同での展示会への出展
ChinaplasやIPFなどの展示会では、メンバー企業が共同で出展して、ソリューションの実際を見てもらう機会を提供しています。

4)factor4 tech-studiosの運営
自分たちの材料や金型などで、実際に各種のソリューションの体験や実験を行ってもらい、効果を確認してもらえるような場を提供しています。現在は、日本の大阪に最初のfactor4 tech-studiosを設けました。今後、いくつかの地域にも展開する予定です。

また、協会では、グリーン・モールディングの実現に役立つようなソリューションがあれば、メンバー企業以外の方にも、どんどんカンファレンスなどでプレゼンテーションをしていただくようにしています。

次回の記事からは、先に述べたfactor4を実現するための10の道筋にそって、代表的なソリューションに関して、紹介をして行きたいと思います。

次回へ続く。

  • グリーン・モールディング・ソリューション協会
  • 事務局長 松井 宏信

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